と言いながら話は暗くなり。

 少し、胸糞悪くなる、と言うか手前勝手な話が発生したので記述。

 今日の、11時頃だっただろうか? なんだか、とても珍妙で、そのクセしてアホみたいに馬鹿騒ぎするような輩の出る、事件が起きた。
 (ここからは客観的に)
 三時間目のラグビーが終わり私達のクラスメイトは全員教室へと戻った。今回は危なくないようにタッチフット(タックルやスクラムが無い版?)であり、そこそこ気だるげな身体を引き摺っていた。
 中に入るともう数名着替えており、私もそれに倣い、体操服を脱ぐ。鞄を見ると、着替えの服を忘れていたようで、空っぽだった。そういえば、家の机に置いたままだった気がする。私は内心で舌打ちし、汚れた服を着たまま制服を着るわけにもいかないので、カッターシャツ一枚だけを羽織った。別にその事に羞恥は感じないし、そもそも女性が圧倒的に少ないので咎められることも無いだろうと踏んでだ。
 私が黒の長ズボンを穿いた頃にはもう全員が集まっている様に、騒がしく、そして空気が濃い。自分の堰が真ん中なのだが、そこにいるのもあまり好ましくなかったので、廊下側へと移る。そこに友人(?)もいることだし、この時間の暇を潰せると思っての行動だった。
 そして、この時の当事者もその近くに居た。Iとでも呼称しようか。彼はもう着替え終えたのだろう、机に座り、今日室内を見ていた。
「おい、I」
 そう呼ぶ声がした。彼の事は、Kと呼ぶ事にしよう。KはIを呼び、それにIは応えた。
「なに?」
「お前、ちゃんと鍵閉めたか?」
「閉めた、と思うけど?」
「後ろのドアも?」
「ああー、多分」
「ベルトなくなったんやけどさー、お前が風紀やし、責任はお前やんな?」
 ……短絡した、わけではない。彼は突飛ながらも、そう話し出したのだ。Iは顔を顰めた。何故そんなことを言い出したのかと。
「お前鍵閉めた?」
 Kはもう一度繰り返す。
「閉めたけど?」
「それで、授業終わって、ドアを開けた?」
「いや……」
「なんでやねん。お前鍵閉めたんやろうが?」
「ここの鍵、ナンバーロック(番号を合わせる鍵のこと)やから開けようと思えば開けられんねん」
「お前が開けてないんかよ?」
「そうやなー」
「お前が開けるのが筋違うんかい」
 と言うかお前が閉めた事すら疑わしい。
 そうKは言い、お前の責任だと言い張る。
 ちなみに、Iが鍵を閉めたことは事実であると数名のクラスメイトが証言する。そして授業が終わって、元風紀の人間が開けた事も裏打ちされた。後ろのドアも、だ。窓ですらちゃんと、と言っていた。
 だが、それでもKはIの責任だと言った。
そこで私は場に入った。
「おいおい、ちゃんと鍵閉めていったんだから、責任はないんじゃねえの?」
「鍵閉めたのかが問題ちゃうねん」
「と言うか、閉めた以上は責任ないだろ」
「部外者は黙ってろ」
「……お前、人の話を聞く気ねえだろ?」
 最後の言葉は、喧騒に紛れたかもしれない。そこで話は途切れた。私はIに責任はないと言い、放っておけとフォローする。近くに居た人間もそれに賛同した。

 そしてその一時間ぐらい後に、ベルトがなくなったのはKではない事を聞く。Kの近くの席だったと云う事だ。

 ……できるだけ、客観的に概要を述べたつもりである。
 って云う事で反論。
 お前、最初っから責任責任って、なに押し付けようとしてるんだよ? 鍵は閉めた。そこから後は、風紀に責任なんてないに決まってるだろ? それとも、誰かが入ったかは知らないが、鍵をどうやったかも知らないが、それで盗んだときでもそいつの責任だって言うのか? ……この論理が合っているとは、信じたくないね。
 そして鍵閉めたことが問題じゃない? じゃあ最初っからその話をするなよ。お前が最初に持ち出して、そしてそれに問題が無いというのは、少し勝手過ぎた言い分じゃないのか? ああ、お前が言いたいのは〝Iに責任がある〟と言う一点のみだろうがな。
 そして、そんなことを言い出して、自分の者が紛失したのではないと言うのは、ほとほとアホらしいと感じてしまう。それは無くなった本人が言うべきことで、お前が勝手に怒りだすような内容じゃない。分かっているのか? そこら辺。私にはどうも、"友達の為に怒り出すようなかっこいい人間〟を演じる為にやったようにしか思えない 。はっきり言おう、傍迷惑だ。んな事、受験生にもなるような歳なんだから、理解しろよ? 揚げ足を取る形にもなるが、お前も部外者じゃねえか。
 何よりも、責任問題を追及するなら、まず教員を挟んで言うべきことじゃないのか? 確かに担任はお前にとって嫌いな部類だろうが、責任と云う言葉は重く、それはガキである自分たちが決めて良いようなことではないはずだ。少なくとも、今回のケースはそう思う。勝手に独断でリーダーシップ決めてんじゃねえよ。
 ……どうにもアホらしい内容だった。今考えても、そう思ってしまう。その時には言えなかったし、そして言う気力も失せていたので、ここをはけ口に使わせてもらう。アホらしい。本当、アホらしい。