ふと思った設定

 高神水輝は、どこかヘンではあったが民衆レベルで言うならただの高校生だった。
 色盲症の村神色華、虐められっ子の志村愛実、高飛車の唯置狐と日々を過ごす、高校生だった。
 しかし、突然全てがぼろぼろと、世界が変わっていくのを、認識してしまった。
 世界が滅ぶことを知った彼は存在事象【バランス】に目覚め、そして……。


「私と言う名の存在事象に勝つには、15.3%早いんですよ」
「明日を疑わぬ人間を明日から消し去る。……滑稽だねぇ」
「僕たちは、なんの為に、死んでいくんですか?」
「生きたいなら死ねよ。死んだとき、確かに生きていたことが分かる」
「欲を求めない人間なんて、ただの血の詰まった袋だ」
「助けてください! 僕を、殺してください! もう、誰も殺したくない!」
「ふふふ、そうか、だから、お前は強いんだな。……羨ましいこった」
「見返り? そうだな……。帰ってきたら腹減ってるだろうから、焼肉定食、作っといてくれよ」
「知らないのかい? 僕たちは世界から見放された捨て駒だよ」
「存在事象なんて……持ったって意味がないんだよ。人間は、生きるだけで人を殺せる」
「ヨウコソ、私ノゴ馳走タチヨ」


 「あいつらの明日の笑顔を汚す権利なんて、例え神様でさえ持ってねえんだよ」

 

"英雄の影舞台〟