書評

そして粛清の扉を (新潮文庫)

そして粛清の扉を (新潮文庫)

あらすじ:卒業式を翌日に控えた高校で、突如として発生した学校ジャック事件。武器を手に、生徒を人質にとったのは、普段は目立たない中年女性教諭だった。彼女の周到に練られた計画と驚くべき戦闘力は、対峙した警視庁捜査第1課の精鋭「特警班」さえをも翻弄する。焦燥し、混乱する警察、保護者を前に、一人また一人と犠牲者が…。第一回ホラーサスペンス大賞を受賞した衝撃の問題作。

感想:バトルロワイヤルバトル・ロワイアルの作者が書いたものと勝手に思い込んで読破してしまった作品。実際は全く違う他人であったが、内容の種類が酷似していたため気づかずに読み終わり、そして書評するため調べている最中に知った。バトルロワイヤルは高見広春って言う人なんだね……っ! まあとりあえず、あらすじ通りのそしてバトルロワイヤルの指向性をもっと身近に差し置いて作られた物といったら大同小異で済むお話。個人的には所々意外性や面白みを感じて三時間強を過ごせたけど、不満も結構多かった。第一に、無用な漢字変換の数々。「〜〜してくれる」を「〜〜して呉れる」と書き、「〜〜しながら」を「〜〜し乍ら」など、そんな動でも良い部分に対する拘りがものすごっっっっく鬱陶しかった。スラスラ読みたいのに、こう言う部分で減速して齟齬しないといけないのは減点対象。第二に、(ちょっとネタバレなので反転)生徒の害悪性が極端なこと。主人公が正常な殺人鬼というスタンスを取り正義を振りかざす為かぶち殺される生徒たちがことごとく他人を死に追いやるまでの悪ばっか。確かにそんなスタンスは必要かも知んないけど、ならもっと違う設定盛りまくれと。どうせならバトルロワイヤルみたいに大東亜帝国とか突飛なパラレルにしてれと何度突っ込んだか。第三に(ここもネタバレ?かな)主人公最強すぎ、そんなダイハードとか沈黙シリーズとかスティーブンセガールとかじゃないんだから。四十過ぎの根暗系オバはんと言う設定どうしたよ。まあ、この三つだけかなー大きな不満は。後の不満はとりあえず溜飲が下げられるぐらいには気をつけてるみたいだし。とまあそんなかんじ。なんかこれ続作があるみたい? なんで時間と気が向いたら読んでみようかしらんーとか思います。それぐらいには面白かった。