昨今のテレビ実験

 テレビの実験結果、と言うものを見てどうにも納得できないことが多数あったりする。それは鵜呑みにする視聴者以外のもどかしいストレスではないだろうか?とか思って打ったりしてみる(本音はムカついたから書く、だけだが)。
 今日、ゴールデンタイムに、「雨の最中傘を指さない時、歩いた方と走ったほう、どちらが濡れるのか?」と言う実験がやっていた。
 実験の内容は見る限り、記憶の限りと言う大変あやふやとしたもので申し訳ないが、しかし大まかこう言うことである。
 緑のナイロン製の芝生(? 公共施設の玄関に敷いているアレに酷似したヤツ)のドーム上のゴルフ場で、同じ降雨量の中を、同じ体格の人間(今回は双子)が走ると歩くの二つを行う。その際二回の実験――移動距離と、移動時間――に分けて、各々どちらの方が濡れるのか? 水分を含みやすい肌に張り付くナイロン生地の服で、増えた体重分が雨に濡れた量と換算して実験とする。
 結果は移動時間の場合は走ったほうが濡れ移動距離の場合は歩いた方が濡れると言う結果になった。なぜか? 移動時間のとき、走った場合は前方に存在する雨粒を拾う形になり移動する分だけ濡れる為で、移動距離の場合、歩く場合も前方に存在する雨を拾い、そしてプラス走った時よりも降雨状態に長く存在する為上方(頭や肩)が濡れる為だとか。まあまあ適当な回答である。
 しかしこれが日常生活においての正解であるとは限らない
 なぜか? 簡単である。日常生活で雨が降った場合、実験した場所と違って水捌けが良いとは限らず、水溜りが存在する為だ。実験した場所はナイロン性の芝生が敷かれていたために飛沫が飛ばなかったが、日常ではそうは行かない。一番良く濡れるのは靴や靴下、ズボンの裾だったりしないではないだろうか? そういった面を調べていないのはいささかミスリードを引き起こさないではないだろうか? (と言ってもこれが傘を指さない時の如何であって、傘を差す差さないに関わらず靴の濡れる量は変わらないと言われたらぐうの音が出ないが)
 それと最も雨に濡れない走り方とはどう言ったものか? と言うものが余談として存在しその時は俯けた頭の上で腕を上下に振る腕ワイパー走法だとか。
 しかしそれにも待ったをかけさせてもらいたい。
 この場合、腕ワイパーのその動かす腕だけが濡れる量を軽減したのだろうか? 走りながら腕ワイパーにすることによって出来る前傾姿勢は影響しないのだろうか、と言う話にはならないだろうか? それを知る術はないが、しかし腕ワイパーだけと信じるに値する確たる証拠固めは成されていない。(そしてちなみにであるが、腕ワイパーにすると袖が広い服だと逆効果の可能性も捨てきれない【今回は肌に張り付くタイツ型】)
 このようにテレビの実験は実質穴だらけに見えることが多々存在すると私は思ったりする。元来、実験とは数々の試行錯誤や微細な違いを全てモニタリングし、そこから証拠と推理の土着を固めて発表にまでこぎつける作業なのだ。腕を動かすだけ、前傾姿勢だけ、足の動かしだけ、またそれら全てを総合して、など。テレビは放映時間が少ないからそこまでが出来ないと言った反論は速やかに却下する。ならば数秒だけでも良いからそういったレポートを写し、そして最終のフォームとその軽減量を写せばいいだけの話である。無駄を排そうと思えば幾らでもできるところはそれこそ数えてられないほどあった。
 つまり、結局結論として言いたいことは「テレビの言うこと全てを鵜呑み出来ない」と言うことである。