ここまで
ここまで気の効いていない自作曲があるのでしょうかね?
初めて作った曲が、本当にその通りになりました。
真夜中に2人帰路を目指すよ
火照った顔を、盗み見しながらあらぬことを考えるよ
――友達の家から帰る途中でした。
――お酒も入って、彼女は始めての化粧もして赤くなっていました。
――あらぬこと……。これは、私の恋心を指すのですかね?
言ったよね、僕はキミと、友達だって
でもそれは、僕の臆病嘘だったんだ
――私はキミを好きだと言いました。憧れてるとも言いました。
――同じ職業を目指すもの、キミはすごい人になれると励ましました。
――でも、その言葉を紡ぐたび、自分の嘘ってなんて安っぽいのだと痛感しました。
君の笑顔を見る度に
僕はただ笑うしかなくなるけど
――笑ってるキミに僕は真実を言えない。
――分かっているんだよ本当は。君の笑顔は友達でしかないってことを。
――キミの〝とっておき〟は、君の好きな人にあるってことを。
距離が開いて欲しくないと願いました。だから嘘を吐きました。キミは凄いよ、君は優しいよね、君は――――――友達として好きだよ。
馬鹿なことって、僕は馬鹿だって。分かっていても。
僕は青春漫画の主人公にはなれないって、勇気が足りないって――――
そうやって僕は、一人ナミダするんだ。