熱さ、そして喪失。

 私は半年ほど、ずっと求めてきたものがあった。ずっと前に持っていたもの。詳細に言うならば2002:4/15には持っていたものだ。その時は確かに存在していた。確かに抱いていた。それを持ちながら、私は小説と銘打って書いてきた。けれど、いつの間にか無くしたものだ。無くしたかすら定かではない。本当はまだ持っているのに、それを奥底に封じ込めたのかもしれないし、書く内に磨耗してしまったのかもしれない。でもどれにしても、私にはいま感じられないものだ。いま、それが私の中に内在しているとは思えない。私はだから、無くしたと言い、それを再び手にしようと頑張ってきた。稚拙になろうとも、思考せずに書こうとも、それは再び手に入らなかった。それを手にする資格を失ったのかもしれない。分からない。私には、今それを求めて良い状況かすら、把握しきれず、児戯の様にむせび泣くしかない。私には、それを手に出来なかったと。