自問自答

 お前は……何か喪えるものでもあったのか? あったと言うのか? お前にそんな大層な者を持っていたというのか? そんなもの、存在しない、幻想と妄想で再構成された汚物をその二の腕に張り付かせているだけだ。お前に過去の栄光なんて存在しない。お前にはただ二つの道があるだけだ。書くか、書かないか。書かないのならお前はまともに生きれるだろう。それは客観から導き出された真実だ。創作のアマチュアで、プロを目指さないものなど、時間の浪費にしか過ぎないからだ。だから、おまえは書かない道を選べば、もっと上を目指せるだろう。社会で上位へと。少なくとも、書いた道よりかは上に手を伸ばす事も可能だろう。書く道を選べば、どうだ? 少なくともその道を選ぶ事でまた苦難があるだろう。お前は今日みたいな悩みをまた抱いたり、そして迷ったりするだろう。必要のない知識をまた詰め込み、たった一行の為に数十時間を無駄にするだろう。……お前の書く道とは、そんなものだ。お前がそれを選ぶ事により、お前は苦しむ事は確約されている。絶対、苦しむ。それは、創るものの定めだ。……それでも、お前は選ぶと、一厘の想いでも、抱いているというのか? また、苦しむと言うのに……。