いたかったよー

 動いてる時なら、まだマシだった。動くと言う情報に脳が占拠されるのか、はたまた血流の作用か、不思議と痛みは半分程度になる。身体を安静(足を伸ばして座り込む、望ましくは寝転ぶ)にすると、更に鎮静するのも知った。しかし、起き上がろうとするとかなりの痛みだった。思わず知り合いの肩をつかんで数秒、間を要さないと何も出来ないぐらいだった。日頃、自分が低血圧で、机から立ち上がる時にさえ立ち眩みを起こすものであったが、これが代替えなら酷過ぎる話だ。痛い。痛くて教壇に建つ教員の話に集中もできず、時間が経つのを望み、暗褐色の中へと望んで埋没した(要約すると眠った)。
 さすがに毎時間眠っていることにおかしさを感じ他の課、色々な人から「保健室に行け」と言われたが、丁重に(多分に強引に)お断りする。「保健室に行く」=「授業欠席」と言う公式が成り立つ私には、三年間無遅刻無欠席皆勤賞を少なからず誇りに思う私には、顔を渋める親切だったのである。