時よ流れろ。

 この世が愛おしいと思ったり思わなかったり、
 この人間を守ろうと思ったり思わなかったり、
 自分が大嫌いと傷つけたり傷つけなかったり、
 なにもかもが怖いと塞ぎこんだりなかったり、
 これは絶対に狂っているのだと思いたかったり、
 異常だと思って自分を保全して、
 人を嫌いになることで嫌な事をその人のせいにして、
 自分の鬱憤を好きな人に親身だからとぶちまけて、
 自分が悪いんじゃないのだと高潔ぶったりして、
 大声で歌いながら、なにに捧げようとするのかも考えず、
 たまに拳を痛めては、自分の意義を見失い、
 たまに時を重んじては、大切に生きようと誓ったり、
 でも、すぐに正しいことはすぐに破ったり、
 だけど、それは自分のせいじゃないのだと弁明して、
 僕たちは、結局そうやって汚いながら生きて、


 ああ、やっぱり人間ってズルいんだよなあ。

 でもそんな人間が、時々すっごく好きだったりして、

 やっぱり自分も、人間なんだなあ。