……ぬむゥ

 どーにも不調だなあ。書こうと思っても、どう書けば忘れたみたいに指が動いてくれない。
 原因と言うか、不調症状箇所は「メインテーマを考え込む余りに起承転結の場面構成を巧く考えられない」みたい。
 ようするに、「このサビ部分を書きたいんだぁっ!」と感情が暴走してそれまでの物事「こうやって置けば伏線にもなるし、場面が映えるかなあ」と言うことが考え付けないっぽい。現に最初の一歩目のプロローグで挫折中。プロットと言うか、草案までは↑のように考えられるのになあ。
 ふぅむ、どうせならいつもと違った、起承転結を順々に描くのではなく、一番の部分や、書きたいところを書いてのピースメイク(辻褄合わせ)方式でやってみるべきかなあ、どうだろう?
 まあ、大体の基本ルーチン(製菓技能、裁縫技能、整体技能)のキャッシュが根こそぎ消えだしたから後は想起してどうやって書くかなどの勘を取り戻すだけだなあ。リハビリは必要です、まる。でもそんなもの無視して描きたい心境でもあるわけで、とりあえず頑張ろうってこと。

Epilogue//L.L=Love.Last(恋の終わりに)

 一葉の紙にライターの炎を近づける。ゆらゆらと揺らめく陽炎はそれを火を移らせて容易く燃やしていく。それは、私が綴った、彼への想いだった。この叶わなかった二つの思いに対しての総てを、その一葉に込め、燃やしたのだ。ゆっくりと、紙面に移された黒のインクも含めてこの世から離別していく私のラヴレター。
 ・・・・・・この世界にあの世があると言うならば、この手紙も、彼に届くのだろうか?
 そんな秘めた言葉も露知らず、手紙の灰は一風の木枯らしに散り散りとなって舞いだした。私はそれを見送り、一筋のナミダと、笑んだ会釈して見送った。

Chapter6//L.L=Last.Letter(最後の手紙)

 「本当は渡したくなかったんだけど」その言葉を一つ残し、彼女は一通の手紙を差し出した。それは、彼が書いた手紙だった。中身は、私に当てた恋文。君を見たときから恋に落ちたという、ありふれたような内容。しかし、これが彼が書いた最後の文章で、そしてここにしか残滓が残っていないと思うと、自然涙が溢れた。私が恋した相手は既にこの世にはいない。もうこの思いが伝わることはない。分かっていたはずだ、そのことは。病院で伝えられ、その時からこの彼を探す旅は、残光を追う探訪であったと言うことを。だけど、だけど、、、、いざ終わりを見ると、私はただ、嗚咽しか洩れなかった。

Chapter5//L.L=Luck.Lack(運の欠乏)

 いつもなら、それは普通の日常だった。いつもの帰り道、熱さが引いてそろそろ秋も半ばに差し掛かったこの時期。私はいつものように本を片手に下校していたのだ。そしていつものように信号を渡り――。クラクションが鳴った。え、と私は顔を上げた。前にはトラック。どうしてと思った。いつものようにちゃんと信号を確認して――――――。その言葉への解答は一つ、「暴走」と言う不条理で片付けられる事態。そしてその暴力に私は巻き込まれて人生を終わる――――はずだったのに。そこで、彼が、、、、、、。他愛ない運の欠乏により、終わったのは、私ではなく、彼だったのだ。

Chapter4//L.L=Lament.Lunch(悲しい昼食)

 次の日、私は彼と親しき仲にあった女性と会う。と言っても親友どまりだけどね、と彼女はおどけた口調で言う。しかし、その動作の中に、相手を和ませようとする気概は見えなかった。その昼食、彼女は私をじろじろと見てきて彼についてを尋ね、私も聞く。ファミレスで騒がしき中で、それはとても、物悲しさが漂う昼食風景だった。食べ終った後十数分の間を置いて彼女は立ち上がる。どうして、と言葉を最後に、レシートをもって去っていった。私はなにも、言い返すことなど出来なかった。

Chapter3//L.L=Loyal.Lily(誠実なユリ)

 白い彼女の個室に導かれ、私はとても豪華とは言えない椅子に腰掛ける。彼女は少々苦笑して「悪いわね」と形の謝罪をして、彼の話をしだした。なぜここに来たのか? どういう性格だったのか? どんな気持ちを抱いて生活してきていたのか? これ、ね。と彼女は一つの折り紙を出してきた。あの子が作ったの、お詫びらしいのね。白い、ユリの形を成した折り紙。それは彼のひたむきさと、誠実さが見えた。

Chapter2//L.L=Lamb.Land(子羊の土地)

 それは彼の出自に関するものだった。彼はある孤児院の出で、私はその迷える子羊の場所へと赴いた。出迎えたのは彼を育てた一人の女性だと言う。私はなにも言わず、表向きボランティアの名目で一日そこで働くことに。騒がしい幼児に引っ張られて倒れそうになるほど疲れるが、しかし明るい幼児に微笑まれて、ここは優しいところなのだろうと理解した。そして終わりの時に私はあの女性と話しを取り付けることになった。